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ハドソン製ゲームソフトの文字フォント

長年疑問に思っていた、ハドソン製ゲームで使われていた文字フォントについて、以前紹介したいわさきひろまさ氏のブログで真相が明かされていたので紹介する。

補足(3):山田真木のことなどイロイロ

この中で、こんな記述がある。

PCエンジンのシステムカードには12x12ドットと16x16ドットのJIS第一水準漢字フォント(約3000文字)が含まれていました。だからPCエンジンCDROMのゲームは普通に漢字かな交じり文のテキストが書ける強みがありました。ところが初代システムカードにはフォント作成時にミスがあり、使えない文字があったのです(確か1文字だけだったのだけど、なんだったかはさすがに覚えていません)。
そこで、スーパーシステムカードでは、その文字の間違いを修正するとともに、いくつかの記号を加えたり、さらに主に12x12ドットの漢字フォントで潰れて読みにくいものを修正したりと、細かく直してあったのです。
だから、同じゲームでもフォントが違うという現象が発生したのですね。基本的にはスーパーシステムカードの方が読みやすい、と考えてかまいません。
ちなみにこのフォントの手直しは当時のハドソンのアーティストの総力を結集して行われていました。なんだかんだで3000文字近くあるわけで、猛烈に手間がかかったのです。


PCエンジンのCD-ROMゲームは、全て共通の文字フォントを使って作られていた(メモリ節減のためだ)。
ちなみに、プレイステーション、セガサターンにも本体に標準文字フォントがいくつか組み込まれていたはず。
ただ、それだと味気ないからか使っているゲームソフトは少なく、わざわざ自前で文字フォントを製作するゲームがほとんどであった。

ドリームキャスト、プレイステーション2以降は知らない。というか、少なくとも外部の人間がそれを知ることは難しくなったと言える。
開発の手間を省くために文字フォント制作会社の許可を得て採用しているケースが多いので内蔵文字がよほど使いものにならないか、そもそも入っていないかのどちらかだろう。

ゲームは知っているけど、そのなかで使われている文字の事情なんてどうでもいい人が大半だろう。
敢えてここで今回は、ゲームレビュアーのサイトでも中々触れられない文字フォントについて語っていく。

ゲームとは切っても切れない関係なのが文字。
初期の頃は、英語のスペル26文字と数字10種だけで十分であった。
一つのゲームを作るとき、いちいち文字フォントを1から作ってられないので、開発メーカーごとに使いまわしていた。
レトロゲームを遊ぶとき数字や英語を注意してみて欲しい。同じメーカーのゲームは流用していることが多い。
ただし、開発ラインが複数持っていたりする大所帯の会社もあるので、必ずしも統一されているわけではない。

それが、ドラゴンクエストなどRPGの登場で、日本語も作らなければならなくなり、最初はひらがな、カタカナだけだったのが、ハードの表現力が広がるたびに、今度は漢字まで…とどんどん収録文字数が増えていった。

これにいち早く対応したのが、いわさき氏が挙げているPCエンジンCD-ROMドライブだった。
システムカード側に予め汎用漢字文字3000文字を収録しておき、開発者はここから文字フォントを引用する形をとった。
当時はゲーム用文字フォントなんてなかったから、漢字混じりの文章を作るためには、わざわざ使う漢字をドットに起こしてやり、作成する必要があった。

だから、SFC初期のRPGは、漢字のボキャブラリーが少なく、使用頻度の高い漢字だけ作って、ゲーム上に数えるほどしか出ないような漢字とかはわざわざ収録せず、今見るとまとまりのない文章に見えてしまうのだ(例えばFF5とか)。

ハドソンがスーパーファミコン用のゲームを出すとき、このシステムカードの内蔵文字フォントを使ってゲームを作っていた。
(だから、同時期のSFCの他のゲームと比べても、字が綺麗で読み易く、漢字の種類も恐ろしく豊富だった)

PCエンジンは、NEC名義で発売されているが、ハード設計など実質的な開発はハドソンがやっている。
だから、PCエンジンの内蔵フォントを流用出来るのは当然の流れだと思っていたが、この内蔵文字フォントの出来がかなりいいので(字が綺麗で漢字の種類も豊富)、NECのパソコンかどっかで使われている文字フォントを持ってきているのかと思っていた。

しかし、このいわさき氏の話によると、ハドソンのスタッフが手作業で全部作ったのだという。涙ぐましい努力だ。

つまり、ハドソン製のお手製文字フォントと言えるわけだ。
これ、1990年のゲーム用文字フォントとしては完成度が恐ろしく高いので、特許とかとって、文字フォントを商売に使えば、相当な儲けになったはず。

同時期に頑張っていたのは、ドラゴンクエスト5を作ったチュンソフトも割と文字フォントに力が入っていた。
なぜなら、サウンドノベルの「弟切草」を作るときに大量の漢字を作成したからだ。
だけど、PCエンジンの内蔵フォントと比べれば、字体は綺麗とは言えなかった。若干癖のある文字だった。
当時はこんな感じで綺麗な文字フォント、汚い文字フォントってのがメーカー毎に特色が表れていて面白かった。

ちなみに、この内蔵フォントをハドソンがどれがけ流用しているのかというと、私が確認できたものだけでもこれだけある。

・スーパーファミコン
(1992)
アースライト
(1994)
スーパーパワーリーグ2
大貝獣物語
(1995)
高橋名人の大冒険島2
スーパーパワーリーグ3
ダンジョンエクスプローラー(デモ画面など一部)
(1996)
アースライト2
スーパーパワーリーグ4
大貝獣物語2

・セガサターン
(1996)
ガリバーボーイ
(1997)
天外魔境 第4の黙示録
・プレイステーション
(1998)
桃太郎伝説
(2001)
桃太郎まつりPS版

PS、SSの場合、解像度が上がっているせいか12x12ドットの小さいほうを採用していた。
しかし、なぜか桃太郎電鉄シリーズでは内蔵フォントをかたくなに使おうとしなかった。

あくまで私が確認できたものだけなので、もっとあるかもしれない。
それに、アクションゲームなど文字がそれほど重要でないゲームは使う理由がないので、入っていない。

スーファミのハドソンのゲームは結構持っているつもりで、このリストを見ると「思ったより少ない」印象をうけるかもしれない。

が、当時は文字フォントを流用するという発想自体が珍しく、これだけの本数流用していたメーカーはハドソンぐらいしか知らない。
あと、ハドソンはあまりスーファミ向けにソフトを作っていないことも考慮に入れて欲しい。
内製よりも東京支社や外注に出しているケースが半数近い。外注でも内蔵フォントを使っているケースもあるが。

例えば、エニックスのドラクエはフォントを流用していたけど、それ以外は制作会社が違うから流用していないし、
RPGのスクウェアも、毎回文字フォントを1から作っていて全く流用していなかった(音源のドライバ等の流用はしていた)。

また、メーカーは違うが、スーファミのエメラルドドラゴンもPCエンジンの内蔵文字フォントを使っていた。
これはなぜかというと、PCエンジンで同じゲームが発売されており、それを移植したからである(しかし内容は全くの別物だ)
スタッフロールにハドソンの記述がないので、文字フォントに著作権とか付けてなかったのだと思う。

ただ、私が疑問に思っていることがある。

これだけ流用しているのに、スーファミの大作RPGで出した「新桃太郎伝説」と「天外魔境ゼロ」では内蔵フォントを流用せず0から作っていた。
新桃太郎伝説は、見た目は限りなくPCエンジンのフォントにそっくりなのだが、良く見てみるとわざわざ作り直していることがわかる。
また、さっきも少し書いたが、SFC時代から桃鉄シリーズは内製のはずなのに、文字フォントは独自のものを使っていた。
このシリーズは、PS2以降は知らないがそれ以前は、確かPS1の桃鉄7までは漢字と平仮名のサイズが違っていてぎこちない表示だったのが気になっていたものだ。
なぜ早くから内蔵フォントを採用しようとしなかったのか謎である。

プレイステーション2まで行ってしまうとさすがにつらいが、PS1レベルのゲーム機までなら、違和感なく使いまわせるぐらいのクオリティを持っていたPCエンジンの内蔵文字フォントは、本当に素晴らしかった。

その素晴らしさを実際に見せるためにスクリーンショットでも撮影して各社の文字フォントと見比べて見せてやりたいぐらいだったのだが、大量のダンボール箱からゲームを探し出して撮影するのが手間で辞めた。

今のゲームは、多くのゲームが、ゲーム向けの文字フォント会社から使用する権利を借りてきて使っているパターンが増えている。
自社で大量の漢字と文字を1から作っているケースは皆無といっていいだろう。
特にDSのゲームは、メーカーごとに契約している会社が異なり、コナミのゲームは文字サイズが小さく複雑な漢字が読みづらいとか(全てのゲームで統一されているわけではない)、ひいきにしているゲーム文字フォント会社がわかって意識してみてみると中々面白い。

多くのゲーマーは、あまりこういう開発裏事情を見ようとしない。せいぜい私ぐらいではないだろうか。

当たり前のように使われているゲーム上の文字ひとつとってみても、このようにこだわって作られているのだ。
今や文字フォントによってゲーム画面のイメージがガラリと変わるといっても過言ではない縁の下の力持ち的存在と言えるものだ。
例えば、おどろおどろしいホラーゲームで、無機質な文字フォントでは興ざめするだろう。ちょっと崩れた字体で文字フォントからも恐怖感や雰囲気を出したりする。
逆にギャルゲーでは可愛らしい丸みのあるフォントを採用して明るい雰囲気を出す。

ゲーム開発者は仕様を決定するとき、こういった細かいところまで気にかけているのだ。

もしこれを読んだ人がいれば、こういった細かい部分にも意識して目を凝らしてみて欲しい。
ただゲームをやるだけでなく、違った面白さを垣間見ることが出来るだろう。
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