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素人のゲームデザイン考(2):壁際のカメラワークの問題

沢山ゲームレビューしてきたというが、どういったところを見ていたのかというのを、最近文章化出来る目処が付いた。
それをシリーズ化して、いくつか記していきたいと思う。

なお、断っておきたいのは、筆者は、ゲーム技術者でもなければ、ゲーム開発に携わったこともなく、これといった勉強もしたことがないズブの素人だ。
ただ異常な数のゲームを体験してきて、その上での考察であることを断っておきたい。





前回、1回で収まるように、ムリをしてでもカメラワークの考察を書いたのだが、このテの話題で壁際のカメラワークについてよく議論されているので、独立して語ることにした。

というのも、色々他の考察を読んでいくと、自分から見てあまりにトホホな内容になっていることが多いためだ。





なぜ、壁際のカメラワークといった問題が出てくるのか

前回記述したように、立体処理が可能となったことで、ゲームで使われる舞台に凹凸(おうとつ)が付けられるようになった
それまでは、どこまで行っても、方眼紙の世界だったから、壁という障害物が存在しなかった。

つまり、視点を遮るもの(=カメラの挙動を邪魔する存在)が、平面処理のゲームでは、絶対に存在し得なかった

しかし、ポリゴンを使った、三次元処理になると、x軸(横)、y軸(縦)、そして三次元を成立させるz軸(奥行き。高さにおける上下方向)の概念が登場する。

z軸の概念は、3次元空間を表現するための必須要素であり、カメラワークとz軸は、お互いがぶつかり合い、せめぎ合い、どのように処理するべきか、という好敵手のような存在となっているのだ。





コナミの持ってるらしい特許「カメラワークの透過処理」はそれほど大きな効力を持たない

これは、ゲーム業界の関係者じゃない視点による考えなので、大いに的外れな点も多くあると思うが、筆者の文章の書き方は、体感を重視しているので、それを前書きしたうえで書く。

おそらく、一番気になっているだろう話題を、先に潰しておこうと思う。

コナミが出願している特許の原文を一応読んでみた。
最初に断っておくが、読む価値が無いので、それっぽい特許を取っているという認識を持つ程度で構わない。

それではなぜ、大きな効力を持たないのかというと、理由を幾つか。

コナミが特許侵害で仮に裁判沙汰を起こしたとする。
民事裁判というのは、御存知の通り、結構ゴネることが出来る世界なので。

例えば、壁を無視してカメラワークを取ったゲームがあって、手前の壁やオブジェを消して表示しているとする。

それで訴えられた場合、これを作った開発者も、結構な言い訳を出来る余地があるから。

・このゲームは、壁がある設定ではあるが、ゲーム上では表示してない
・半透明ではなく完全に透明、消失処理しているから侵害してない(原文通りだと、半透明と記載されているが、半透明と透明だと意味合いが異なる)

まだ色々、バカバカしい言い逃れが思いつくのだが、書いててあまりにバカバカしくなってきたため、このへんにしておく。






壁際のカメラワーク問題を解決しているゲーム

やはり過去発売されてきたゲームを例に出して解説したほうが説得力があり早いと思われる。

・スーパーマリオ64(任天堂/N64)
カメラ自体に当たり判定をつけているように見える処理をする。
一方で、壁を貫通して視点移動出来る場面も多くあり、統一性がない。
どちらかと言うと、衝突判定をつけているのではなく、場所ごとに、視点移動の制限をもうけているのだと思われる。
プレイヤーとの間に、壁が挟まった場合、それらは透明処理される。
また、逆に、透明処理の解決が難しい箇所の場合は、強引にプレイヤーを映そうとカメラが勝手に動く。
これらは、3Dゲーム黎明期の作品だったため、考えぬかれたというよりも、場当たり的な対応をしていただけだと思われる。
それから、マリオ64では、もう一つ取られた解決方法として、四方の壁を取っ払ってしまったり、障害物を減らすマップデザインを意識しているエリアが結構多くある。

・ゼルダの伝説 時のオカリナ/ムジュラの仮面(任天堂/N64)
そもそも視点操作を実質的に禁止した。カメラ操作はZボタンでプレイヤーの背後に回りこむ、いわゆるデフォルト視点にリセットする形(あとは主観視点での見回しのみ)。
この思い切りには当時驚いたものだった。ゼルダ64は当時、マリオ64の進化後継的立ち位置だったため、視点制御を不便にしてしまったことに、若かりし頃の自分は理解不能だった。

なぜこのようにしたのかというと、理由は1つしか考えられなくて、壁を貫通して透明処理させてしまうととんでもなく間抜けな絵面になり冷めてしまうからだ。
マリオ64では、カメラが壁を貫通できる場面が数多くあるが、おそらく開発者の想定外で、出来る限りそういう視点にさせたくなかったが、壁が邪魔になることによる不快感を同時に出したくなくて、やむなく残していたのだと思う。

このへんの解決策が、はっきりと完成されないまま、ゼルダ64は開発されていったため、視点制御をプレイヤーから実質的に取り上げることで解決を図ったのだと思われる。

ちなみに、ゼルダ64では、Z注目(ロックオン)中のみ、カメラの衝突判定が無視され、障害物の透過処理も行われる。
これについては、この状態なら、透過処理しても、やむを得ないだろう、敵自体はこちらでルーチン管理できるし、という判断だったと思われる。
確か水の神殿だったか、どこだかで、間抜けな絵面になってしまうところはあったが、開発者的には許容範囲というか、しょうがないと諦めたんだろう。

続編GC風のタクトでは、ハードスペックが上がったこともあり、カメラが壁を超えてしまうことは絶対になくなった(はず)。

・ドラゴンクエスト4/5/6/7(スクウェア・エニックス/DS/3DS/PS2)
アルテピアッツァがリメイクしたドラクエ全般。
360度マップを回せるが、屋内に限り、手前の壁が透明処理される。
屋外では、マップを回転できないか、オブジェと衝突判定があり、ぶつからないように動く。
屋内に限り、そのような処理を許しているのは、背景が黒バックで、絵的に違和感を与えることがないからという判断だと思われる。
(PS1のDQ7/4は、まだ手前の壁の透明化処理されておらず、どの視点にしても物陰が出来てストレスを感じた不満に対しての答え)

ちなみにこれはドラクエの専売特許ではなく、3Dゲーム黎明期に発売されたポリゴンフィールドRPG(S.RPG)では、初期から採用されている。

例を出すと(発売順に記載)
・ファイナルファンタジータクティクス(スクウェア/PS1)
→屋内マップで手前に壁が来た場合、透明になったが、それでも一部マップで物陰が解消されない部分があった
・グランディア/2/エクストリーム(ゲームアーツ/SS/PS1/DC/PS2)
・ゼノギアス(スクウェア/PS1)
など





壁の透過処理とはいうけれど

透過処理と言うより、昔のゲームは、特別何かしてたというわけではないと思う。
というのも、PS1/SS/N64時代のフルポリゴンゲームだと、スペック的に壁のポリゴンは1枚が当たり前。

で、これにテクスチャを貼り付けるわけだが、裏側から見たテクスチャーまでわざわざ計算してない(というかデータを持ってない)。
だからまあ、透明にせざるを得ないというか勝手に透明になっていたとまではいわないが、なし崩し的にそういう設計になっていたと言うのが、事情だろう。





なぜわざわざカメラに当たり判定を付けるのか

現状、ゲームプレイヤーがストレスに感じてしまっている壁際のカメラワークについて
その最たる原因が、カメラに当たり判定を付けてしまっているせいというのは、言い逃れようのない事実だ。

いくつかカメラ処理について例を挙げてきたが、最後にゲームとカメラワークの歴史について軽く触れて締めていきたい。

筆者はマリオ64を大好きで沢山プレイしたが、同時に神格化したくないので、ここらで穿った見方を披露したい。

マリオ64の素晴らしさとか、凄さとかはもう、さんざん他で語り尽くされているので、ここではそういう話じゃなくて、マリオ64におけるカメラワークについての話をする。

ジュゲムカメラがいる世界観が、宮本茂は天才だ!など囃(はや)し立てられていて、このジュゲムカメラがいかに優れているかだのなんだの書かれていることが多いが、はっきりいって自分から見れば茶番の一言でしか無い

これって要するに、逆説的な見方をすればカメラワークのプログラムを擬人化出来るほど手間暇かけましたよ!!というエゴの一つである。
ジュゲムカメラ自体の存在が優れているのなら、続編の「スーパーマリオサンシャイン」でも登場させればいいのに、カメラワークに関しては、カメラのアイコンが出てくるだけ。
それ以降、「スーパーマリオギャラクシー」でも、やっぱりカメラのアイコンが表示されるだけにとどまっている。

ではなぜわざわざゲーム冒頭にジュゲムカメラを登場させたのか?
なにも筆者も、開発者の苦労を見せつけるためだけに、登場させたなどと思っていない。

パソコンやスマホが普及してきた今なら理解してもらえると思うが、カメラのルーチンを作成するとなると、それだけプログラムを走らせるためのリソースが必要になる。

通常のゲームプログラムを走らせると同時に、カメラワークのタスクも計算しなければならない。
当然ながら、3Dゲーム黎明期のコンシューマ機、PS1/SS/N64には、そんな余裕なんて無い。

だから、カメラ操作なんてのは、プレイヤーに投げっぱなしのほうが楽だ。
いかなる状態でも、常に被写体(プレイヤー)と一定距離を取る、L1,R1で一定角度回転。
この仕様が、最もマシンに負担がかからず、カメラ操作できる作りであり、PS1/SS用のゲームはたいていはこの仕様で作られてる。

このカメラルーチンには、カメラの当たり判定ももちろん入っている。

何度も書くが、PS1/SSは、完全な3Dゲームを動かすだけでも結構大変で、ポリゴン処理出来るハードと言っても、
現実的には、2.5D程度のゲーム(例えるなら飛び出す絵本程度の簡単なもの)を作るのが手一杯だった。

そこをなんとか、当時の開発者は、色々工夫して、箱庭風味のアクションゲームやRPGを作っていたというのが現実。
だから、カプコンのバイオハザードとか、スクウェアのファイナルファンタジーなんてのは、プリレンダの1枚フィールドで、2.5Dという収まりのいい仕様で作られ、結果的に大成功を収めている

PS1/SSで、そうやって3Dゲームを作成するのに四苦八苦している中、1996年6月23日マリオ64とN64は発売され世界に衝撃を与えた。

このとき、多くの3Dゲームは、まだ、カメラワークについては、手を付けられる余裕も技術もなく、手付かずの状態だった。

マリオ64は、N64のマシンパワーを見せつける必要性もあり、その手段の一つとして、カメラに当たり判定を付けること、カメラ自体に意思を持っているように見せることでリアリティを演出することにした。
種を明かせば、ジュゲムカメラは発明でも何でもなく、N64のパワーを誇示するために生まれたキャラクターだったというわけだ。

このメカニズムから、どうしてカメラにも当たり判定を付けることが常識になったのかを理解してもらいたい。

プレイヤーは良くこのクソカメラ!などと憤慨することが多い。
しかし、カメラに当たり判定を付ける演出によって、自然とそのモニタの中の3D世界と一体化させようとしている。

カメラ操作できるゲームで、自然と障害物を避けて動くカメラについて、ストレスを感じることはあっても、違和感を覚える人はいるだろうか。

黎明期の3Dゲームは、この当たり前のように行われている処理すらされていないゲームがほとんどだった。
カメラが3D世界の壁を障害物として認識しないで、貫通して動き、被写体(プレイヤー)の邪魔になるものは勝手に排除されて映される。

これほど興冷めされるカメラワークはない。

わざわざカメラが壁を認識して、視点を勝手に近づける。

これをしないと、さんざん書いてきたが、間抜けな絵面になる

間抜けな絵面というのはどういう絵面かというと、地層の断面図を見ているかのような、現実には絶対にありえない構図が画面上に展開される。

それは、どちらかと言うと、現実に存在するもので例えると、舞台を観客席から見ているような状態に近い。

古いたとえで申し訳ないが、
ドリフのコントで、外、玄関、家の中というセットを想像して欲しいが、こんな断面図みたいな構図、舞台だから許されるわけであって、現実では絶対に見られない。





だから、というわけではないが、結果的にカメラに当たり判定を付けることが合理的な処理であると認識されるようになっていった。

で、前回書いた、カメラ操作できるゲームは、実は作り手には制約が多く、思い通りの地形を作れないし、アクションゲームにも向いてないと書いていったのは、このような認識を持っているからだ。

思い通りの地形を作れない理由は、このクソカメラ!ってなってしまうので、その原因を取り除いた結果が、前回書いた

・画一的で、柱や本棚みたいな障害物がなく、地面は平坦で、できれば空中には何もなく、巨大な空間が広がる大部屋
・出来る限り、ひと目で地形を認識できる単調な構造
・理想的なのは、四方に壁のない屋外。

アクションゲームに向いてないのは、意外と地形、敵などの距離感がつかめないから。

・周囲の敵の状況やオブジェなどの距離感をつかみやすくするためには、被写体(プレイヤー)から引いた状態が望ましい
・しかし、カメラと被写体を遠ざけすぎると、間に障害物が入る確率が大幅に上昇する
・現状、俯瞰カメラのゲームは、2Dアクションで極端に視界を狭めた状態で遊ばされている不便なゲームになりがちである(加えて、その視界を自分で操作しなければならない負担を強いられる)

この問題を解決するためには、バイオハザード4がやったように

・カメラと被写体(プレイヤー)の距離を縮めてぴったり貼り付けてしまえば良い

しかし、あまりに近づけると、アクションゲームとして不向きになる
結果、飛び道具で戦い合う、FPSライクなゲーム以外では扱いにくい、使用用途の低い代物になる。


補足すると、FPS(一人称視点)では、視点の問題は全く発生しない。
なぜならカメラとプレイヤーが完全に同一化しているため、カメラにとっての障害物とプレイヤーにとっての障害物が全く同じ状態になっているからだ。





通して読みなおしてみると、開発者の都合ばかり考慮されているような印象になった。

そうではなくて、一つ言いたいのは、たったひとつだけ、プレイヤーへの利点を述べる

・カメラに当たり判定があり、壁際で勝手にカメラが近寄ってくる利点は、後ろに壁(障害物)があることを教えている

カメラを自由に操作できるのだから、要は、開発者としては、180度反転して欲しいって言う意味合いになる。
カメラ操作をフリーにしているのだから、逃げ道としては当然それが最も妥当という話になる。

ここで、やっぱりカメラを壁にめり込ませてでも快適性を追求すべきってのは、カメラワークの歴史の観点から見ると、退化しているようにしか思えない。

そうなると、壁際での戦闘を避ける地形や敵配置などが求められてきて、カメラ操作できるゲームというのは、作るのが本当に大変で難しいものになっている。





最後に余談

モンハン持ちっていう言葉が一時期流行っていた。
PSPにスティックが2本ないから、十字キーでカメラ操作が割り振られていたためプレイヤーの間で作られた戦術だ。

しかし、マリオ64のCスティックの操作性をわかっていたら、もっとPSPで快適なカメラ操作を実現できたと思うのだが、この辺が体系化されてないような気がして外様の身分からすれば残念でならない。
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